詐害行為取消訴訟に関する新刊本が発売されました

高須弁護士の新著である「行為類型別 詐害行為取消訴訟の実務」が日本加除出版から刊行されました。前著である「詐害行為取消権の行使方法とその効果」(商事法務)は高須弁護士が京都大学大学院に社会人入学し執筆した博士論文であり、詐害行為取消権に関する理論書でしたが、今回の新著は債権法改正後の新しい詐害行為取消訴訟の実務に直接、役立つ手引書となっています。

第1編では、改正により新設された詐害行為取消権の諸規定を分かりやすく解説しています。

第2編では、典型的な財産減少行為はもとより、理解に困難を極める濫用的会社分割や、遺産分割、財産分与などの家族法上の行為など、現時点で想定される多くの詐害行為類型について、類型別に詐害行為取消訴訟の訴訟物、請求原因、抗弁等、そして、訴状記載例を表示し、さらには、立証のポイントや判決確定後の手続等を説明しています。

第3編では、高須弁護士の自説である多元説に基づく責任説処理の実務を検討しています。実務書において責任説に基づく訴訟のあり方を具体的に記載するのは初めての試みと思われます。

高須弁護士の大学時以来の恩師であり、当法律事務所の初代所長であった遠藤光男弁護士とも長年の友人であった下森定法政大学名誉教授がこの10月にご逝去されました。詐害行為取消権に関する責任説の泰斗であった下森先生のご冥福をお祈りすると共に、我が国における責任説の歩みを滞らせることのないように、当事務所としても微力を尽くす所存でおります。

詐害行為取消権の理論書である前著と手引書である新著、この2冊が今後も多くの方に利用されることを願っています。